英語力の習得には2段階のクリアすべきレベルがある。

生徒の英語力を判断するための手段として、一般的には英検、TOEIC, TOEFLなどの英語検定試験を用いる。何級または何点取ったかで、その人の英語力を凡そ見極めることができる。

そもそも英語は何の為に学ぶのか。日常会話ができるようになるため?英語で考え、議論し、交渉するような国際ビジネスの現場でも通用する実力を見に着けるため?

人それぞれの英語を学ぶ目的によって違いはあるだろう。

しかし国際競争社会の中で生きていくこれからの若者には、後者レベルの力をつけてほしいと願うのは、ごくごく自然なことではないだろうか。

英語力の習得には、クリアすべきレベルが2段階ある。1段目は、「基本的対人コミュニケーション能力」というもので、簡単に言えば「日常会話力」のことである。もう一つ、「認知的学習言語能力」とバイリンガル研究者が呼ぶクリアすべきレベルがある。これは、抽象的な概念を理解したり、論理的に問題を分析し掘り下げたり、批評的に思考したりということを、英語で行える能力のことである。

それでは、「認知的学習言語能力」は、どのようにしたら身に着けられるのか。

中学、高校、大学に至るまで、日本の公的な教育機関における英語教育に最も欠けている 分野ではないか。